活動報告
2021年
令和3年12月
九月定例会にて一般質問
援助を必要とする子どもや家庭のための支援について
- 鈴木生まれ育った家庭や環境、様々な事情により、子どもの未来が妨げられることのない社会づくりが重要である。子どもの貧困対策の推進に関する法律には、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、子どもの貧困対策に関し、国と協力しつつ、当該地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」とある。この少子化の時代にこの問題を放置すれば、国や地域、企業の資源となる人材確保に深刻な影響を与え、大きな社会的損失になるため、子どもの貧困の解消こそが社会全体の活力につながるものと考える。民間を中心に運営されている子ども食堂では、このコロナ禍において学校が臨時休業になった際に、学校給食という子どもたちにとっての食のセーフティーネットも失われたが、子ども食堂があったことで救われた子どもがたくさんいると聞いた。この貧困問題の特徴は、子ども時代の貧困による機会の不平等により、大人になってからも貧困に陥りやすく、親の格差が子どもたちに引き継がれてしまう、貧困の連鎖が起きることである。世代を超えた負の連鎖を断ち切るためにも、県として援助を必要とする子どもはもとより、不安定な就労形態となることが多いひとり親家庭の支援に係る取組が重要と考える。そこで県は、援助を必要とするひとり親家庭への支援にどのように取り組んでいくのか。開く
- こども未来局児童家庭課 / 児童扶養手当や医療費の助成、資格取得に関する給付金の支給のほか、各保健福祉事務所において、相談対応や生活資金の貸付け等を行っている。加えて、母子家庭等就業・自立支援センターにおいて、求人開拓や就職後の定着に向けた支援を行っているところであり、今後とも様々な取組を通し、ひとり親家庭の生活の安定に向けて、きめ細かな支援に努めていく。
- 鈴木家庭での養育が困難であることが原因で児童養護施設等にいる子どもたちに対し、何か支援を行っているか。開く
- こども未来局児童家庭課 / 生活に困窮することがないよう、進学する児童には入学支度金や卒業までの生活費を毎月支給しているほか、一定の要件を満たした場合には返還が免除となる貸付を行っている。また、児童養護施設長や里親が、進学する上で必要な学校の身元保証人や住宅を借り受ける際の保証人になる場合に必要となる経費も助成している。今後も援助を必要とする子供が安心して暮らすことができるよう支えていきたい。
- 鈴木最近「ヤングケアラー」という言葉を聞くが、ある意味で孤立した状態であり、教師や子どもを取り巻く多くの大人がそのような子どもたちを見つけなければならない。学校、関係者等と連携した取組を行っているか。開く
- こども未来局児童家庭課 / 教師の役割の一つとして「ヤングケアラー」と呼ばれる子どもの大変さを早急に探知することがあると思う。県教育委員会と連携を図りながら、どのような子どもが「ヤングケアラー」に該当するのかを教師と情報共有する取組を行っている。
鈴木福島に誇りを持つことができる教育について
- 鈴木「やさしさ」は、教育にとっても大切な視点であると思う。震災後、本県において、復興の過程で様々な課題を乗り越える中で養われてきた人々の温かさと確かな絆はやさしさそのものであり、本県の誇りである。こうした震災の教訓や県民の歩みを学びに生かせば、子どもたちがやさしさを身につけ本県に誇りを持つことはもちろん、今後の新たな魅力にあふれる本県をつくってくれるようになると考える。そこで県教育委員会は、児童生徒が本県に誇りを持つことができる教育をどのように進めていくのか。開く
- 教育庁 / 本県ならではの学びが重要であることから、豊かな文化や歴史、自然環境を生かした体験活動や、分断や対立を乗り越えてきた復興への歩みをテーマとした探究学習に力を入れていく。これにより、多様な人々との対話や協働の大切さを学びながら、本県に対する理解を深めることを通して、本県に誇りを持つことができる児童生徒を育成していく。
- 鈴木今後、策定予定の第7次福島県総合教育計画では、効率化や合理化による進行だけではなく、子どもが挫折したときに生きていく力を身につけることができる教育をしっかり行ってもらいたい。開く
- 教育庁 / 「やさしさ」は、教育委員会としても非常に大事なキーワードだと思っている。現在、教育委員会において総合計画の部門別計画を策定中だが、育成したい人間像として、寛容の心を持ち、多様な個性を互いに認め合い、対話と協働を通じて社会や地域をつくっていける人間としている。セーフティネットについては、個性を伸ばす教育、多様性を認め合うことによって、それを皆の力に変えていくとの記載も考えている。
産科医や小児科医の確保について
- 鈴木周産期医療は母体や胎児、新生児の生命に関する様々なトラブルの可能性が考えられるため、産科、小児科の協力による総合的な医療体制が必要だが、近年の医師不足、とりわけ産科医、小児科医不足は危惧すべき問題で、安心して子どもを産み育てる環境をつくるためにも、周産期医療に携わる医師の確保は急務である。今回の総合計画には、周産期医療に関する取組が明記され、産科、婦人科、小児科医師数の確保人数の目標値も決められているが、県はそのためにどのように取り組んでいくのか。開く
- 保健福祉部医療人材対策室 / 産科医や小児科医を目指す医学生への修学資金貸与額の加算や研究資金の対応による県外医師の招聘などにより、県内への定着を図るとともに、ふくしま子ども・女性医療支援センターによる医療支援などを通じた周産期医療を担う医師の養成等を行っているところである。引き続き安心して子供を産み、育てることができる環境づくりに向け、産科医や小児科医の確保に取り組んでいく。
令和3年3月
二月定例会にて一般質問
被災した事業者への支援について
- 鈴木東日本大震災、令和元年東日本台風、新型コロナウイルス感染症の拡大に続き、2月13日には福島沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し大きな被害をもたらした。度重なる困難に直面して、被災された方々の多くは体力も気力も限界にきている。そこで県は、度重なる災害で被災した事業者をどのように支援していくのか?開く
- 県商工労働部経営金融課 / 度重なる災害で被災した事業者への支援については、2月13日の発災直後から、知事を先頭に、二重三重に被害を受けている本県特有の実情を国に訴え、中小企業等グループ補助金が特例として措置されることとなった。その中で、東日本大震災で被害を受け、復興途上にあって今回更に被害を受けた事業者には、令和元年東日本台風時と同様の定額補助も制度化されており、これらを活用して、再び被災した事業者をしっかりと支援していく。
新たな乳児院について
- 鈴木近年は児童虐待や様々な事情によって保護者との生活が困難な乳児を保護し、養育する施設となった乳児院だが、築50年が経過し老朽化も進んでいることから移転改築し、昨年11月には指定管理者に公益財団法人星総合病院が選定されたと聞いている。県は、新たな乳児院の整備にどのように取り組んでいくのか?開く
- こども未来局児童家庭課 / 新たな乳児院については指定管理候補者と協議し、家庭的な養育ができる居室の設計とする他、乳幼児の外傷や疾病に迅速に対応する医療サービスの提供、乳幼児養育に関する専門性を生かした子育て家庭への助言や支援、保護した乳幼児の養育を引き継ぐ里親の開拓と支援など多様な機能を担う施設として整備し、本県の乳幼児を健やかに育み支えていきたい。
特別な支援を必要とする児童生徒への支援について
- 鈴木小中学校において、通常の学級に在籍する「発達障がい」の児童生徒に対する指導及び支援が喫緊の課題となっている。県教育委員会は、発達障がい等の特別な支援を必要とする児童生徒への支援にどのように取り組んでいるのか?開く
- 県教育庁 / 個別の教育支援計画を作成し、本人や保護者に対する合理的な配慮について関係者間で合意形成を図ることが重要と考えている。教育支援アドバイザーを特別支援学校から小中学校に派遣し、障がいの特性に応じた教材や授業の進め方への助言を行うなど、―人一人に適した支援に取り組んでいく。
企業版ふるさと納税について
- 鈴木平成28年度の税制改革によって創設されたが、企業側の認知度はまだまだ低い状況にある企業版ふるさと納税の推進に、県はどのように取り組んでいくのか?開く
- 県企画調整部復興・総合計画課 / 創設以来、県には約2億6,000万円の寄附が寄せられ、Jヴィレッジの施設整備や奥会津の振興などに活用しており、県内9市町村にもこれまで約3億2,000万円の寄附が寄せられ、まちづくりや子育て、若者支援等に活用されてきた。この制度は、優れた財源調達手段であると考えており、今後、一層の普及拡大に向け、本県と御縁のある企業等に対し、当該制度の利点や県と市町村の寄附受入事業を紹介するとともに、市町村の制度活用を支援するなど、寄附の受入拡大につながる取組を進めていく。
再犯防止のための取組について
- 鈴木本県の令和元年度の再犯者率は全国平均の48.8%を上回る51.4%で、安全で安心して暮らせる社会を構築する上で大きな課題だ。県は、再犯防止を推進するため、どのように取り組んでいくのか?開く
- こども未来局こども・青少年政策課 / 新年度から福島県再犯防止推進計画をスタートさせ、保護観察所、刑務所などの国の機関や市町村、更生保護団体等と連携しながら、各種相談窓口での個々の事情に応じた相談、就労や住居の確保への支援、保健医療・福祉サービスの提供に取り組むほか、県民に向けた広報啓発を行うなど、過去に犯罪をおかした人等が地域で孤立して再犯に至ることのないよう図っていく。
- 鈴木再犯防止において最も重要なポイントが就労及び住居の確保だ。そのためには、過ちをおかした人の自立や社会復帰に協力することを目的として雇用する事業主である、協力雇用主に対する優遇措置の導入が必要。本県においては相馬市や郡山市、喜多方市、二本松市等では入札制度での優遇措置を既に導入しており、県としても県発注工事の入札制度に優遇措置を設けるべきではないか?開く
- 総務部入札監理課 / 県発注工事の入札に参加できる者を登録するための資格審査において、財務状況等の客観的事項に加え、障がい者の雇用や健康経営の取組などの主観的事項である1 5項目についても事業者を評価しており、再犯防止のため雇用に協力する事業者への優遇措置の導入についても、他県等の事例を参考に検討する考えである。
福島イノベーション・コースト構想について
- 鈴木福島イノベーション・コースト構想は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築をめざす国家プロジェクトだが、まだまだ県内においても認知度は低い。この構想を成功させるためには「オール福島」で取り組んでいく必要があると考えるが、知事は今後、どのように推進していく考えなのか? 開く
- 内堀雅雄知事 / 事例や支援制度等を紹介する説明会を中通りや会津でも開催し、県内全域で企業の参画意欲を高めるとともに、福島イノベ倶楽部等により企業間の交流を促進し、業種や地域の垣根を越えた新たなビジネスの創出をめざしていく。さらに、民間企業や関係機関等と連携し、交流人口・関係人口の拡大に取り組んでいく。加えて、本構想で生まれた企業の技術開発の成果を体験してもらうイベントを開催するなど、将来を担う若者の心に響く情報発信に取り組み、本構想を県内全域で推進していく。
前述以外にも、さらに質問をさせていただきました。
新型コロナウイルス感染症対策について
- 鈴木県は、感染症により休業せざるを得ない労働者等への様々な支援策をどのように周知していくのか?
水素社会の実現について
- 鈴木県は水素社会の実現に向け、県民の理解促進にどのように取り組んでいくのか?
介護人材の定着について
- 鈴木県は介護人材の定着にどのように取り組んでいくのか?
地域密着型プロスポーツ支援について
- 鈴木県は、ふるさと納税を活用して、地域密着型スポーツをどのように支援していくのか?
歯と口の健康について
- 鈴木県教育委員会は、公立小中学校における歯と口の健康に関する教青にどのように取り組んでいるのか?